う飄々(仮)

いうてまじめやで。

バカな、あまりにバカな

答えを持っていてそれを何とか伝えようと努力しているように見える人がいる。そういう人を見るとほんとうに不思議だと思う。実際はどうなのかわからないけど、そういうのがすごくうらやましいと思うこともある。そういう人もそういう人なりに伝えるための努力をして、うまく伝わらないことに苦しんだりするんだろうけど、そういうのを含めてうらやましいと思う。僕にはアンサーがどこにも見つからないような感じがある。とにかく前には見当たらない。後ろにはあったような気がするけど、たしかじゃないし、確かめようもない。だから、目の前に答えがあるかのように振る舞える人が不思議でしょうがない。

答えを持っていてそれを話そうとする人を見ると、僕は真剣に話を聞こうとする。その人の答えを知りたいからじゃない。なぜその答えをその人は持っていられるのか、その根拠が知りたいからだ。話を聞いていると、答え自体はすぐにわかる。他人にわかりやすいように伝えるための努力をその人が怠ってこなかったからだろうし、僕が話をきちんと聞くからだと思う。なかなかわからないときのほうが嬉しくなるってぐらい、いつもすぐにわかってしまって、理解を目的にする会話なんかはすぐ完了した感じになる。で、「へえ」とか「なるほどね」とかいう無意味な返事で間を取りながら「どうしてそう思うんですか?」って聞きたい欲求に駆られる。こんなのは不躾な問いなのかもしれないけど、何より不思議なのはそこなんだから、そうならざるを得ない。あなたもそう思わないですか、と言わんばかりに自分の答えを話す人にはそんなことは聞きたくならないけど。慎重にゆっくり自分の答えをほとんど確認するように話す人には「どうしてそう思うんですか?」と聞きたくなる。まあ、実際に聞くかどうかは流れ次第で、当然、アルコールは必須だ。

実際に聞いたとして実際に返ってくる答えは、みんな、それぞれ、かたくて重い。しかも手に持っているというより全身に抱えているという感じ。もはや「なるほど」とも「へえ」とも言えないで、しばらく黙ったままになる。

それでも思うのは、引きずったり蹴っ飛ばしたりしないのはどうしてですか?ということ。さすがにそんなこと聞けないけど。そういうこともあり得るじゃないかって思うのはちょっと暴走してるかもしれないけど、本当のところ、あり得るじゃないか。

そこまで行かないでも、なんでなんだろうとはやっぱり思う。不思議でしょうがないのもたぶんこの頃がピークで、わけわからなくなってるから。で、「どうしてそんなに大切なんですか?バカな質問ですが…」僕が言いたいのはこれ。